土地が広い場合、その土地を住宅等に活用しようとしても、すべての土地が住宅等に使用できるわけではなく道路や公園等に使用する部分が出てきます。そのために、土地の評価に際しても、これを考慮するというのが、地積規模の大きな宅地の評価です。地積規模の大きな宅地として認められた場合、土地の評価は以下のようになり、評価価額を大幅に下げることができます。ここで地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500平方メートル以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地をいいます。
(1)地積規模の大きな宅地の評価
①路線価地域に所在する場合
地積規模の大きな宅地の評価
=路線価×奥行価格補正率×不整形地補正率などの各種画地補正率×規模格差補正率×地積
②倍率地域に所在する場合
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地については、次に掲げる1の価額と2の価額のいずれか低い価額により評価します。
1 その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額
2 その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額に、普通住宅地区の奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額
(注)
市街地農地等(市街地農地、市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野をいいます。)については、その市街地農地等が宅地であるとした場合に「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地に該当するときは、「その農地等が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額」について「地積規模の大きな宅地の評価」の定めを適用して評価します。
(2)規模格差補正率
ここで規模格差補正率は、次のように計算されます。
①三大都市圏に所在する宅地
地積 |
普通商業・併用住宅 |
|
Ⓑ | Ⓒ | |
500以上 |
0.95 |
25 |
1,000以上 |
0.90 |
75 |
3,000以上 |
0.85 |
225 |
5,000以上 |
0.80 |
475 |
②三大都市圏以外の地域に所在する宅地
地積 |
普通商業・併用住宅 |
|
Ⓑ | Ⓒ | |
1,000以上 |
0.90 |
100 |
3,000以上 |
0.85 |
250 |
5,000以上 |
0.80 |
500 |
(3)対象外となる土地
ただし、以下のような土地は、この対象にはなりません。
①市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条第12項に規定する開発行為を行うことができる区域を除きます。)に所在する宅地
②都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地
③指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在する宅地
④財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地
地積規模の大きな宅地の評価が適用できるかどうかについては、判断が難しい面がありますので、必ず税理士等の専門家に相談するようにしてください。