Q:夫婦に子供がいない場合の相続はどうなるのですか。

夫婦の間に子供がいない場合に、夫婦のどちらかに相続が発生した場合の相続は、以下のような場合に分かれます。

(1)親が存命の場合

 配偶者が2/3を取得し、残りの1/3を親で分割することになります。

(2)親が亡くなっており、兄弟が存命の場合

 配偶者が3/4、残りの1/4を兄弟で分割することになります。

夫婦の間に子供がいない場合には、配偶者の将来のことも考慮して、以下のような点にも留意すべきでしょう。

1.相続分の確認:

配偶者が唯一の相続人である場合、全ての財産を相続します。しかし、親や兄弟姉妹が相続人となる場合、法定相続分は2/3あるいは3/4になり、全財産を相続するわけではありませんので、この相続分の確認をまず行うべきです。

2.遺言書の作成:

配偶者に全ての財産を相続させたい場合や特定の親族に財産を分配したい場合、遺言書の作成が重要です。遺言書により、法定相続分とは異なる財産分配が可能となります。

3.遺留分への配慮:

兄妹には遺留分がありませんが、親には遺留分が存在するため、遺言によってもその権利を無視することはできません。親の意向も確認した上で、遺言書でも遺留分を考慮しておくべきか判断する必要があります。

4.配偶者の生活保障:

配偶者が安心して生活できるように、財産の配分を検討することが重要です。例えば、住居を確保するための財産分与や現金の配分などを考慮します。

5.相続税の対策:

財産の規模によっては相続税が発生する場合があります。税制上の優遇措置や適用可能な控除を最大限に利用するために、事前に税理士などの専門家に相談することが重要です。

6.養子縁組の検討:

相続人を増やすために養子縁組を検討することも一つの方法です。ただし、養子縁組には法的手続きや家族間の合意が必要です。

この記事を書いた人

税理士・中小企業診断士・行政書士 落合和雄
2005 年 3 月 税理士士登録(東京地方税理士会所属)
1987 年 1 月 中小企業診断士登録(東京都中小企業診断士協会所属)
2016 年 1 月 行政書士登録(神奈川県行政書士会所属)
税理士登録以降、相続案件に力を入れ、現在年間約 70 件の相続の相談に応じています。また、中小企業診断士として年間約20件の M&A を含む事業承継の相談に応じています。行政書士としては、遺言書の作成、家族信託の支援も数多く扱っています。
ご依頼者がベストな解決にたどり着けるためのサポートをすることは当然として、関係者みんながハッピーになれる方策を探るように心がけています。

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