年金は偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、その前月分と前々月分が支払われます。年金は日割り計算は行わず、1日に亡くなっても1月分が支払われます。
したがって、偶数月に亡くなると1か月分または3か月分、奇数月に亡くなると2か月分の年金がまだ死亡日時点では支払われていない状態になります。この年金のことを「未支給年金」と言います。
たとえば、6月10日に亡くなられると4月・5月・6月分が、6月20日に亡くなられると6月分が、7月20日に亡くなられると6月分・7月分が未支給年金になります。
年金受給者が亡くなると、10日(国民年金は14日)以内に受給権者死亡届を遺族が提出しなければなりません。
死亡届の提出が遅れて、死亡日以降分が被相続人の口座に振り込まれた場合には、返却が必要になります。たとえば6月30日に亡くなられて8月15日に6月分・7月分が振り込まれた場合は、7月分を返却しなければなりません。
年金受給者が死亡した場合に、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給されていない年金があるときには、その者の配偶者(内縁の配偶者を含む。)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものが、「自己の名」で、その未支給の年金の支給を請求することができる(未支給年金請求権)こととされています。
この未支給年金請求権については、当該死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給年金を自己の固有の権利として請求するものであり、当該死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはなりません。
なお、遺族が支給を受けた当該未支給年金は、当該遺族の一時所得に該当します。