特別失踪とは、民法の規定に基づいて行われる特別な失踪宣告のことを指します。通常、失踪宣告は、行方不明者が一定期間帰らない場合に行われるものですが、特別失踪は特定の事情がある場合に限り行われるもので、通常の失踪宣告よりも短い期間で行うことができます。
特別失踪の主な特徴として、以下の点が挙げられます。
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特定の事情が必要
特別失踪宣告は、戦争、船舶の遭難、航空機事故など、特定の事情がある場合に限り行われます。これは、通常の失踪宣告が行方不明者の生死不明状態を解消するために行われるのに対し、特別失踪宣告は特定の危険な状況によって行方不明となった者の生死を速やかに解明するための措置となります。 -
短い期間での宣告が可能
通常の失踪宣告は、行方不明者が7年間帰らない場合に行うことができますが、特別失踪宣告は1年以上の期間が経過すれば行うことができます。これにより、特定の危険な状況によって行方不明となった者の生死を速やかに解明することができます。
特別失踪宣告は、特定の危険な状況によって行方不明となった者の生死を速やかに解明するための措置であり、通常の失踪宣告よりも短い期間で行うことができます。この制度を利用することで、行方不明者の財産や家族関係の整理が迅速に行われることとなります。
相続との関係で言うと、失踪宣告により行方不明者は死亡とみなされますので、その人に子がいれば代襲相続となり、その代襲相続人を加えて協議することになります。
また、失踪期間を満たしていなくても、行方不明者のために財産管理人を家庭裁判所に選任してもらうこともできます。