遺産分割とは、故人が残した遺産を相続人間で分ける法的手続きです。日本の民法では、故人の遺志が明確でない場合、法定相続分に従って遺産を分割します。しかし、相続人同士で協議を行い、それぞれが納得する形で遺産を分けることも可能です。
相続人間で遺産分割協議に合意ができれば、協議による遺産分割が成立します。この際、全ての相続人が合意しなければ協議は成立しません。合意に至らない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることになります。調停が不成立の場合には審判または訴訟によって遺産分割が行われます。
遺産分割の際には、不動産、預金、株式、貴重品、借金など、故人が残した全ての財産と負債を対象とします。これらの財産評価は市場価値に基づいて行われることが一般的です。また、故人の遺言がある場合は、遺言の内容を尊重しつつ分割が行われます。
遺産分割を行う上でのポイントは、公平性を保つことです。特に、相続人一人一人の経済的状況や、故人との関係性、遺産に対する貢献度など様々な要素を考慮する必要があります。例えば、面倒を看た相続人には多くの遺産が分けられることもあります。
また、遺産分割には時効が設けられています。相続開始から10年を経過すると、分割を求めることができなくなる場合があるため、注意が必要です。このため、相続が開始したら遺産分割について早期に相続人同士で話し合いを進めることが望ましいです。
専門家である弁護士や司法書士の助けを借りることで、適切な遺産分割を行うことが可能になります。特に相続が複雑な場合や相続人の意見が対立している時には、専門家の介入が適切な解決に繋がることが多いです。