収益不動産を子供に贈与しておくと、そこから産み出される収益を子供のものにでき、所得税が軽減できる場合があります。
これを検討する場合には、親と子供でどちらの所得を増やした方が得か(一般には、所得の少ない方を増やした方がよい。)をよく考えてください。
相続だけを考えると、親が持ったままにして、貸家建付地評価を使った方がよいことか多いですが、所得税、相続税を総合的に判断すると、子供に資産を渡した方が得の場合が多いです。
したがって、相続まで十分な時間がある場合には、所得税の効果を重視して子供への生前贈与を選択するケースが多く、相続まであまり時間がないと想定される場合には相続対策を重視して、親が持ったままにすることが多いです。
また、贈与する場合に不動産の価格が高いと多額な贈与税と不動産取得税がかかりますので、相続時精算課税制度を使うことや、価格の低い建物だけに限定して、贈与を行うなどの対策も必要です。もし、不動産に掛かる借入金がある場合位は負担付き贈与として、借入金もセットで贈与すると贈与額を低く抑えることが出来ます。
不動産の贈与は、その後に登記を行う必要がありますので、必ず贈与契約書を作成して、該当不動産の内容を明確に記載しておくことが重要です。また、この登記の際には、登録免許税も発生します。相続で不動産を取得すると登録免許税は掛かりませんが、贈与の場合には固定資産税評価額に対して2%の登録免許税も掛かりますので、この点も考慮して生前贈与が良いのか、相続まで置いておく方が良いのかを判断してください。
これらの判断には、高度な税務知識も必要になりますので、税理士等の専門家の意見も聞きながら、十分な検討を行ってください。